実家が空き家になると維持費は年間いくらかかる?
両親が他界し、実家が空き家になってしまった…!
すると、すぐに直面するのが空き家問題。
人のいない家を維持するのは、手間だけでなくお金の面でも大変です。
どの程度の経費がかかるか考えてみましょう。
空き家の維持費は?意外と固定資産税がかかる!
不動産を所有しているとかかってくるのが固定資産税。
毎年、その土地や家屋がある自治体に支払っていかなければなりません。
空き家の固定資産税は、人が居住する家とは異なります。
適切に管理していれば問題はありませんが、平成27年に完全施行された「空家対策特別措置法」により、各自治体の調査で「特定空き家」に指定されると、状態を改善するようにとの助言・指導が入ります。
これをそのまま放置して勧告を受けると、固定資産税の「住宅用地特例(※)」から除外され、翌年分から最大6倍もの固定資産税を支払うことになります。
※「住宅用地特例」とは、住宅用地の固定資産税を減額する優遇措置。
そのままさらに放置すると、命令を受け、さらに放置すると、最大50万円の罰金が科せられ、行政代執行となり、取り壊し費用を請求されます。
税率はそれぞれ以下のようになります。
・更地…課税標準額×1.4%
・建物1戸につき200㎡以下の住宅用地部分…課税標準額×6分の1×1.4%
・建物1戸につき200㎡を超える住宅用地部分…課税標準額×3分の1×1.4%
その他にかかる費用
実家を「特定空き家」にしないために、適切な維持管理が必要になってきます。
・屋根が外壁が崩れるなど、景観を損なったり、周囲に危険を及ぼす状態になっていないか?
・草取りなどが行き届かず、野生動物や野良猫が集まり、不衛生な状態になっていないか?
・害虫発生の温床になっていないか?
・鍵が壊れていて不審者が中に入り込んでいないか?
このように、誰かが住んでいた時には気にならなかった様々な心配事が降りかかってきます。
これを維持するには、修理費用、草取りなどの庭のメンテナンス費用、家にたまに風を通しに行く手間と交通費などがかかります。
すぐに目の届くところに実家があればまだしも、遠方にあるとしたら、どうなっているかわからず不安ですね。
労力とお金だけでなく、精神的な負担も大きくなるでしょう。
まとめ
いざ家を売却しようとしても、早く売らないと空き家の状態はどんどん悪化していきます。
空き家にしないために、両親が生きているうちに手放すことも視野に入れましょう。
「子どもたちの手を煩わせたくない…」と考えるご両親が、自分たちの手で終活できるよう、情報収集の手伝いなどのサポートしてあげてくださいね。