兄弟で揉めない財産分与の方法
親の死後、たった一つの遺産として実家の土地と建物が遺された…
それをどのように相続するかで、仲の良いはずの兄弟間で揉めてしまいこじれてしまうケースがよくあります。
子どもたちに資産を遺す側として、どんな対策ができるか考えてみましょう。
仲が良い兄弟でも財産分与で揉める?その理由
不動産しか相続するものがない場合、また、その不動産を所有し続ける場合、それを平等に分けるために難しい判断が生じます。
・実家の草取り、家の維持などは兄弟の誰がどのように行うのか
・親の介護や親の医療費などの支払いをしてきた一人が不平等にならずに相続するにはどうしたらよいか
・実家に住み続ける兄弟のうちの一人が相続するが、現金資産を持っておらず、他の兄弟には相続できるものがない
こういった場合、どうすれば平等な相続ができるでしょうか。
兄弟で揉めない財産分与の方法
遺産が不動産のみの場合、相続税の支払いにも困ってしまいます。
被相続人である親は、相続する子どもたちが困らないよう準備をしておくことが大事ですので、以下のような対策の検討をおすすめします。
・被相続人は遺言書を作成しておく
遺言書の内容が最優先されますので、もめごとの種を作らないために、生前に公正証書遺言を遺しておくことをおすすめします。ただし、遺族である子どもにとって「兄がすべて相続し、自分には一切相続できるものがない内容だった」というとき、法律上取得の保障がなされている相続分の一定割合である「遺留分」を得る権利があります。
・不動産を現金に換金しておく
不動産のみを相続する場合、それを均等に分割するのは難しいことです。誰かがその家に住み続ける場合はなおさらです。
たとえば、住まいを売却した後も、家賃を支払うことで住み続けられる「リースバック」を利用すると、資産を現金化できるため、生前贈与するか死後に遺産として子どもたちに分けるか、いずれにしてもスムーズな相続につなげることができます。
不動産所有者でなくなるため毎年の固定資産税の支払いの負担もなくなります。
また、「リースバック」であれば、親の死後、子どもが実家を再取得することも可能です。
ほかにも、不動産の売却方法はさまざまです。
家に住み続けるのか、家は処分して施設への入居を考えるのか、ご自身のライフプランによって最適な方法を見つけましょう。
まとめ
お金のことで揉めたくないのはもちろんだと思いますが、様々な事や人間関係が絡み、こじれてしまうとどうにもなりません。
話し合いがまとまらないときは、弁護士などの法律の専門家に相談するのも一つです。
結論を棚上げしたまま放置するのではなく、兄弟全員が納得する解決策にたどりつけるようしっかり相談しましょう。